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「個人型確定拠出年金」未来に悲観的な20代こそ始めるべき5つの理由

いよいよ2017年1月から「個人型確定拠出年金」の加入対象者が拡大します。一体何のこと?とピンと来ない人もいるかもしれませんが、賢く節税しながら、将来受け取る年金を増やし老後を安泰にできる絶好のチャンスなのです。20代のうちから始めたい「個人型確定拠出年金」の魅力をお伝えします。

会社に企業年金制度があるサラリーマンも加入が可能。努力する人は益々貯まる時代に!?

はじめに年金制度について確認をしておきましょう。日本では20歳以上の全国民は「国民年金」への加入が義務付けられています。さらに、サラリーマンの場合は「国民年金」に加え「厚生年金保険」に加入しており、この2つの公的年金に加入しているのが一般的。さらにおよそ半数のサラリーマンは「厚生年金基金」「確定給付企業年金」「企業型確定拠出年金」など企業が導入している企業年金(私的年金)に加入しており、公的年金に上乗せされて年金を受け取る予定です(※1)。

一方で、会社に企業年金制度がないサラリーマンや、自営業の人が自助努力で年金を増やしたいと思った時に任意で加入できる私的年金の一つに「個人型確定拠出年金」があります。これまで、企業年金制度があるサラリーマンは加入対象外とされていましたが、2017年1月からは「企業型確定拠出年金を含む企業年金に加入している会社員」や「公務員」「主婦」なども加入が可能に。将来に備えて蓄えをより多くしたい人は、益々貯めやすい環境が整うのです(※2)。

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出所:厚生労働省「確定拠出年金法等の一部を改正する法律案」の図をもとに筆者が加工。数字は2014年3月末現在
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/189-46.pdf 

個人型確定拠出年金が20代にオススメな5つの理由

<理由①:老後の生活費は公的年金だけでは足りない!?>

厚生労働省の発表では、標準的なサラリーマンが65歳以降にもらえる公的年金は1カ月当たり約16万円。専業主婦の妻がいる場合には、妻の支給分が6万円で夫婦合計22万円となります(※3)。持家で家賃の負担はなく、住宅ローンの返済も終わっていれば、なんとか生活できるぎりぎりの額ですが、ゆとりある暮らしは望めません。実際には公的年金だけでは足りず、毎月6万円程度貯金の切り崩しをしている老後夫婦が多いのが現実(※4)。

ゆとりある老後を送りたいのなら、国に依存するだけでなく自助努力が求められそうです。

<理由②:20代の持つ「時間」は最大の武器>

「企業型」・「個人型」共に「確定拠出年金」は、加入者が自ら運用するため、運用成績によって将来受け取る年金額が変動する仕組みです。加入者自ら運用すると言っても、金融機関が用意する運用商品の中から選択する形で、投資信託以外にも元本保証の定期預金や保険もラインナップされているのでご安心を。ただ、せっかく20代で始めるならば、時間を味方につけ、多少リスクのある投資信託などにチャレンジしてみるのも手です。運用期間が長ければ、短期間では変動の幅が大きくても長期的には右肩上がりに増えていく効果や、利息が利息を生む複利効果も期待できます。

<理由③:節税効果がとにかく高い⇒掛金が全額所得控除>

確定拠出年金の最大のメリットは、「掛金支払時」「運用時」「年金受取時」のそれぞれのタイミングで税制優遇を受けられる点。まず、毎月積み立てていく掛金は全額所得から控除され、所得税・住民税を削減できます。例えば、年収400万円の会社員が毎月1万円(年間12万円)積み立てる場合、所得税・住民税を年間約1万8千円減らせます。毎月1万円ずつ銀行定期預金に自動積立するよりも、年間1万8千円得する計算です。

<理由④:節税効果がとにかく高い⇒運用益は非課税・受取時にも税制優遇>

次に、運用中の税制優遇では、運用益が非課税になる嬉しい特典も。通常、投資信託を売却する時には、利益に対して20.315%の税金が課せられます。例えば、20万円の利益が出た場合、税引後受取額は159,370円ですが(20万円-20万円×20.315%)、確定拠出年金では利益20万円を丸々再投資の資金へと回すことが可能に。

さらに、年金受取時に受けられる税制優遇では、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金で受け取る場合は「公的年金控除」が適用されます。確定拠出年金以外に公的年金や退職金が支給される場合は受取時期や方法を工夫する必要がありますが、民間の保険会社で個人年金保険に加入するよりも、確定拠出年金の制度を利用して保険に加入した方が税制優遇が大きい点で有利となります。

<理由⑤:転職しても持ち運べる>

企業年金は、種類や制度によって、転職時に持ち運ぶことができず、一時金として年金資産を受け取るしかないケースもあります。「臨時収入だラッキー!」と思うかもしれませんが、本来将来の年金を増やす目的で積み立てていた年金資産を若いうちに受け取ってしまうことになるので、注意が必要です。その点、2017年1月から変わる「個人型確定拠出年金」では、転職や独立した場合でも、継続加入することが可能になります。

まとめ

以上、2017年1月から変わる「個人型確定拠出年金」の魅力をお伝えしました。デメリットとしては原則60歳まで引き出しができない点。途中で掛金の金額を変更することは可能ですが、一度預け入れた資産は途中で解約できないので、無理のない範囲で少額からチャレンジしてみてください。また、加入時や毎年かかる口座管理手数料などの費用も確認して金融機関を選ぶようにしましょう。

※1 図中の数字参照。厚生年金保険被保険者数3,527万人に対する確定拠出年金・確定給付企業年金・厚生年金基金の加入者総数1,660万人の割合(47%)

※2 勤務先の企業年金の種類によって、新たに加入できる個人型確定拠出年金の掛け金に上限が定められ、場合によっては勤務先の企業年金規約の改正が必要になります。

※3 2014年1月31日厚生労働省報道発表 標準的な夫婦二人の年金額(夫は平均標準報酬36.0万円で40年間就業し、妻が40年間専業主婦であった場合。千円単位切捨て)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000035972.html

※4 2015年総務省家計調査 全国の無職二人以上世帯(平均年齢72.9歳)の1ヶ月の貯蓄切り崩し額(千円単位四捨五入)
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/


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著者情報

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平井 美穂
ファイナンシャルプランナー(CFP)。不動産営業・銀行員を経験した後、出産を機に独立系ファイナンシャルプランナーへ転身。特に不動産や住宅ローンに関するコンサルタントを専門とする。ファイナンシャルプランナーならではの提案力を活かし、家計全般の収支バランスを考慮した上で、税制・相続・土地活用などあらゆる面から包括的に最善策を探る。また、特定の企業に属さず、顧客利益を優先した提案を心がけている。お金で困る人を減らしたいとの思いから、子供向けに金融教育活動も展開中。