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校正会社の社長がズバリ教える!ビジネス文書をスマートに見せる16のチェックポイント

ビジネス文書を書き上げてヤレヤレ……。ホッとする気持ちはわかりますが、読みにくいものになっていませんか?文章はちょっと気をつけて見直すだけで、仕上がりがぐっとよくなります。校正会社、株式会社ライズの代表取締役社長、本村直也さんに「スマートなビジネス文書作成のポイント」をお聞きしました。

スマートなビジネス文書作成のポイント

書籍やウェブサイトに掲載する文章は、ライターが書いた後、「校正者」が校正をします。「校正」とは誤字や脱字のほか、不適切な内容や読みにくい表現のチェックなどを行うことです。

ビジネス文書では普通、他人に校正してもらうことはないと思いますので、特に以下の点に注意して、書き上げた文書を自分で見直してみましょう。

1.「敬体」「常体」の混用は避ける

文章には語尾が「~です・~ます」で終わるタイプと「~だ・~である」で終わるタイプがあります。

「~です・~ます」で終わる、ですます調のことを「敬体(けいたい)」
「~だ・~である」で終わる、である調のことを「常体(じょうたい)」
と呼びます。

この2つが混在した文章は読み手に違和感を与え、そこに述べられている状況を把握しにくくさせます。これは文章を書くときの基本的なルールですので、ビジネス文書作成のときも「敬体」「常体」のいずれかに統一しましょう。

悪い例:
業務日報
○月○日 訪問先:□□株式会社・◇◇商店
今日は新商品の提案に、上記2社を訪問した。
□□株式会社は山田部長が不在だったため、田中課長に資料を渡して内容を伝えました。
その後、◇◇商店に行った。店長は新商品に興味があるようだ。
そこで2日後に課長同行の上で再度詳しく説明に伺う旨のアポイントを取りました。

2.主語と述語を明確にする

1つの文章が長くなると意味が不明瞭になる上に、どれが「主語」で、どれが「述語」なのかわかりにくくなる傾向があります。「主語」「述語」を明確にして文章を簡潔にまとめましょう。

1つの文章が長くなりわかりにくい例:
弊社では他社にはないITシステムの開発に成功し、最新IT技術を一堂に集めて展示しユーザーへの周知と販売促進を目的に8月1日から開催される「最新IT技術展」において発表します。この展示会には10年前から参加していて「行ってよかった」と弊社のお客様からお言葉を頂戴しております。今年は特に力を入れた商品を展示しておりますので、ぜひお越しください。

書き直しの例:
弊社では他社にはないITシステムの開発に成功しました。8月1日から開催される「最新IT技術展」に出展し、新システムを発表いたします。弊社はこの展示会に10年前から毎年参加しており、過去に弊社ブースに来場されたお客様からも「行ってよかった」とのお言葉を頂戴しております。今年は特に力を入れた商品を展示しておりますので、ぜひお越しください。


主語と述語が離れていてわかりづらい例:
従業員のAさんは店長がお客様が商品を手に取っている間にさりげなく新商品を近くに置く様子を見て参考になったと言った。

書き直しの例:
お客様が商品を手に取っている間に店長がさりげなく新商品をお客様の近くに置く様子を見て、従業員のAさんは参考になったと言った。
(主語:Aさんは 述語:言った)


主語がない例:
最近、調子が悪い。

書き直しの例:
最近、パソコンの調子が悪い。
最近、体の調子が悪い。


主語と述語がちぐはぐな例:
・このプリンターの特長は、色が鮮明でインクが長持ちするプリンターだ。
・私の夢は海外で活躍するビジネスパーソンになりたいと思う。

書き直しの例:
・このプリンターは色が鮮明でインクが長持ちするのが特長だ。
・私の夢は海外で活躍するビジネスパーソンになることだ。

3.固有名詞は正確に

人名、役職名、会社名などの固有名詞が間違っているとせっかくの文書が台無しになってしまいます。必ず確認するくせをつけましょう。

間違いやすい例:
・人名……山崎・山﨑・山碕/阿部・安部・安倍/大田・太田・大多/坂田・酒田・阪田/太郎・太朗
・地名……墨田区(隅田区ではない)/大田市(島根県)・太田市(群馬県)/大田区(太田区ではない)/阿倍野区(安部野区ではない)など手書きの場合は要注意
・会社名……○○株式会社と株式会社○○を間違えないこと

4.慣用句の間違い

せっかく慣用句を使って説明しているのに、慣用句そのものを間違えている場合があります。正しい使い方を知っておきましょう。

例(誤→正):
・けんけんがくがく→けんけんごうごう、または、かんかんがくがく
・的を得る→的を射る
・怒り心頭に達する→怒り心頭に発する
・新規巻き返し→新規蒔き直し

5.敬語の使い方

同種の敬語を使いすぎる「二重敬語」は誤用であり、文章がわかりにくくなったり、失礼な印象をあたえたりするので気を付けましょう。

例(誤→正):
○○社長様→○○社長、または、社長の○○様
ご利用になられる(※「ご」と「なられる」は二重敬語)→ご利用になる
お買い求めになられる→お買い求めになる

敬語に直す場合の例:
来る→いらっしゃる・お越しになる
食べる→召し上がる・お食べになる

6.表記の揺れや不統一

1つの言葉を表すのにいくつもの書き方が混在することを「表記の揺れ」といいます。

例1:
「WEB」「web」「ウエブ」など外来語表記の揺れ

例2:
「平成28年」「2016年」など和暦、西暦の表記不統一

例3:
「㎏」「キロ」「キログラム」など単位表記の揺れ

1つの文書の中で上記のような不統一があると読み手に内容が伝わりにくくなるので、いずれかに統一します。なお和暦と西暦を両方入れたほうが相手にわかりやすい場合は、例えば最初だけ「2011(平成23)年」とし、次に出てくる年は「2015年」と西暦で統一するなど「ルール」を決めておくと読みやすくなります。

7.漢字にするかひらがなにするか

「業界の専門用語」や「固有名詞」を除いて、基本的に常用漢字以外はひらがなを使用することをお勧めします。パソコンで変換すると難しい漢字が出てきますが、多用すると読みづらい文章になるので注意が必要です。

例:
従業員達→従業員たち
憂鬱→ゆううつ
所謂→いわゆる
煽る→あおる
拗れる→こじれる
類い希→たぐいまれ
罵る→ののしる

なお、新聞社などが出している『用字用語集』が参考になります。

8.データの出典

文書内でデータを使用する際は、その出典先を明確にすることで文書の信頼性が高まります。その場合も情報の記載順(資料名、提供元などの順)を統一するようにしましょう。

例:
出典:「平成26年度食料自給率の概要」(農林水産省)

9.略語を使う

正式名称が長く、頻繁に文中に出てくる場合には、最初に正式名称と略語を記載し、以下は略語とすると文章が簡略化され読みやすくなります。

例:
全国農業協同組合連合会(以下「全農」)

10.登録商標に要注意

すっかり一般社会になじんでいる名称が、実は「登録商標」だったという場合があります。一般名称として扱わないように注意しましょう。

例:
・宅急便(ヤマト運輸の登録商標)→一般名称は「宅配便」
・マジック、マジックインキ(ともに内田洋行の登録商標)→一般名称は「フェルトペン」「マーカー」
・セロテープ(ニチバンの登録商標)→一般名称は「セロハンテープ」
・ウォシュレット(TOTOの登録商標)→一般名称は「温水洗浄便座」

11.図表を用いる場合

図表などを用いて文書を作成する際は、本文と図表の内容が合っているかどうかをチェックします。図表のタイトルの配置も図表の上か下かどちらかに決めておくと見栄えがよくなります。

12.同音異義語の誤用

文章を入力する際には同音異義語の変換ミスに気をつけましょう。

例:
追及と追求→「効率化を追求する」「責任を追及する」
清算と精算→「過去の関係を清算する」「交通費を精算する」
過小と過少→「過小評価(小さすぎること)」「過少申告(少なすぎること)」
採決と裁決→「賛成か反対か採決を取る」「社長が裁決を下す(立場が上の人が処分を決めること)」

13.引用をわかりやすくする

他人の文章を引用する際は、自分の文章とはっきりと区別するようにします。例えば「 」でくくる、引用した文章の前後を1行ずつあける(改行する)、あるいは引用文全体を字下げするなどするとよいでしょう。そして何から引用したのか出典を必ず明記しておきます。

14.重複語を避ける

「頭痛が痛い」のように、同じ意味の言葉を繰り返すことを「重複語」といいます。ついうっかり使ってしまうことが多いので、注意しましょう。

例(誤→正):
従来から→従来
電気の電源を切る→電源を切る
上に上がる→上に行く、または、上がる
冬山の登山→冬の登山
まず第一に→まず、または、第一に
約500人ほど→約500人、または、500人ほど
最終結論→結論

15.「てにをは」のチェックをする

文章が出来上がったら必ず読み直し、「てにをは」がおかしくないか、誤字・脱字はないかをチェックしましょう。「てにをは」とは、次のような言葉と言葉をつなぐ「助詞」のことです。

例:
「朝起き会社行き、パソコンの電源入れた。今日天気がいい。」

助詞にはほかにも「で・と・を・が・の・も」などがあります。助詞の使い方を間違えると文章の意味がおかしくなるので注意しましょう。

例:
・雨が濡れる→雨に濡れる
・おじいさんが山で芝刈りに行った→おじいさんは山へ芝刈りに行った
・このお寿司がおいしい→このお寿司はおいしい

この例だけではわかりづらいかもしれませんが、前後の文章をよく読み、誰が何をどうしたのかが正しく伝わるように書かれているかチェックしましょう。

16.「差別語」や「不快語」がないかチェックする

差別につながる言葉や読み手が不快になる言葉は使わないようにします。

例:
・心身の障害や病気に関する言葉……知恵遅れ、どもり、かたわ、めくらなど
※「めくら判」(しっかり見ないでハンコを押すこと)、「片手落ち」(配慮や注意が一方にだけ偏ること)なども差別語と判断されることがあります。
・職業に対する差別語……女工、土方、小使い(用務員のこと)
・人種・地域差別につながる言葉……土人、くろんぼ(黒人のこと)、外人、後進国
・不快語……たこ部屋、売春婦、首切り(解雇のこと)
※成績不振の子どものことを「落ちこぼれ」というのは不快語と判断されることがあります。「授業についていけない子」「学業不振の子」などと言い換えます。どうしても使う場合、NHKでは「いわゆる落ちこぼれ」としています。

まとめ

子どものころ作文が苦手だったという人にとって、上手な文章を書くのはなかなか容易ではありません。また、文章力をつけるにはそれなりの人生経験が必要な場合もあります。若いビジネスパーソンに求められるのは、文章の上手さや美しさよりも、正確さなのではないでしょうか。上記に挙げたポイントに注意しながら、正しく伝わるビジネス文書作成を心がけてください。


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