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えっ、お仕事中に着ぐるみ!?「着ぐるみ福利厚生」とは。~仰天!おもしろい社内制度 第3回~

いくつもの社内制度を通して、ひとつになる心

2台のモニターに向かってせっせとパソコン作業に没頭しているのはピンクのくまさん、その隣には派手な帽子とウィッグをかぶった女性……。目を疑う光景だが、これもひとつの日常、という個性派のWEBマーケティング会社がある。

実はこの“着ぐるみでお仕事OK”というのは、今回紹介する株式会社ギャプライズのれっきとした社内制度。これ以外にも「サプライズ休暇」や「オシャレ半日休暇」、「きっかけギフト」など、ユニークなシステムをいくつも推進している。そのオリジナリティーあふれる社風が注目され、テレビのバラエティー番組をはじめ、受けた取材の数もハンパない。
制度はゆるふわだが、仕事はきっちり。ホームページには、500を超える営業支援や集客支援を成功させたという、華々しい業績報告の文言が踊る。

ところで、斬新な制度導入を決めた背景には何があったのか。ギャプライズの看板制度でもある「着ぐるみ福利厚生」について聞いてみた。
「きっかけは、単純なことでした」というのは、代表の土屋さん。

gaprise_02.JPG「設立当初の顧客企業に、着ぐるみのネットショップがあったんです。発注ミスでオフィスに在庫が転がっていたんですよね。そんなある日、もう夜中になってるのに仕上げなきゃいけない企画書がまだ3つも4つもあって、へろへろだったんです。で、僕自身が思いつきで着てみたら、テンションがあがり、気持ちが切り替わり一気に企画書が片付いたという経験をしまして……。もともと『許容できる組織』と思っていたので、設立2年めから正式に取り入れることにしたんです」

福利厚生の一環なので、プライベートでの利用も可能。友達の結婚式や花見の席で着たいという人には土日でも貸し出しする。現在30着ほどが用意されており、なすや大根、はたまたカップラーメンの着ぐるみもあるという。着るかどうかは当人次第。着なくても一向に構わないのだが、喜々として着る社員のほうがずっと多いらしい。

「僕らに言わせれば、同僚の誰かが落ち込んでいるときに『大丈夫?』と声を掛けてあげるのも思いやりだけど、無言で着ぐるみをかぶって場を明るくするのだって思いやり。あるいは、集中するのに気分を変えようとしているのかもしれないとか、そんなふうに受け入れています。した当人はもとより、隣で仕事をしている人にも楽しんでもらうことが大事だし、実際それを『何やってんの?』と冷たく突き放すメンバーはいませんね。結果的に、そういう働き方に対して『なんだかいい雰囲気だね』と共感する人材や、取引企業が集まるようになったんです。意図していたわけではないのですが、『いつも心にエンタテインメント』という当社の経営理念のアイコン的な意味も重なっているように思います」

目指すは、プロフェッショナルだけが味わう喜び

ちなみに、各種制度は、基本的にギャプライズのポリシーでもある「人を喜ばせたい、驚かせたい」気持ちが軸になっている。「サプライズ休暇」は、誰かに喜んでもらうためのアイデアを社内プレゼンし、その思いが伝われば通常の有給にプラスして休暇が1日多く支給されるというもの。「オシャレ半日休暇」は、カッコよく仕事をしてもらいたいというスタイルアップ推奨の流れから、チームの承認が得られれば平日の半日、バーゲンのために休んでもいい制度だ。「大切な家族に喜んでもらう」ことも重視していて、大切な人をお祝いするための補助金を会社が5000円出すのが「きっかけギフト」。

「プライベートの大切なときに休みにくいとか、何もしてあげられらないとか、そういう空気はよくないと思うんです。でもそれは同僚たちに当人の事情がちゃんと伝わっていないからかもしれない。ならばいっそ公にして、みんなで仕事をサポートするよと応援してもらえばいいじゃないかと決めました。設立から11年が経ち、最近は社員数も増えたので、照れくさいのか、言い出さないメンバーも多いんですが……。でも会社の“文化”として、その制度は現状の問題解決になるのかどうかと精査を繰り返しつつ、必要なら継続していくことに意味があると思っています」

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それにしても、自由すぎる空気が、業務の差し障りになったりしないのか。
「着ぐるみ姿でも、仕事に関してはシビアですし、本気です。当社では『アスリートスマイル』をスローガンに掲げていますが、例えばサッカーをするのでも、趣味で楽しもうというのと、プロを目指そうというのでは、楽しさのツボは違いますよね。楽しんでもいるけれど、挑戦して大変な思いもしているアスリートが、最後の最後に勝利を手にしたときに浮かべる笑顔だから、とびきり輝く」

土屋さんが社内文化にこだわるのは、20代のころの苦い経験があるからだ。
「疲弊しました。だから今度の会社では、理念経営というのをやりたかったんですね。理念って、要はこういう働き方をしよう、こういうことを目指して働こうという提案で、理念は文化の創造でもあると思っているんです。自分から主体的にビジネスを生み出し、成果を勝ち得ていく過程で、自分自身も楽しんで仕事をする。それがギャプライズの目標でもある、ビジネスエンターティナーの輩出です。

曲がりくねった20代の経験は、のちに必ず生きてくる

大学を卒業してからは人の2倍3倍働きました。週3、4日は会社のサーバーとサーバーの間で寝て……住んでました! 20代ならうまくいかないことも多いけど、これだと思ったものに対して最後までやり切れば、新たな景色が見えてきます。僕はいつも、『これだ!』と思ったものに対して、そういうチャレンジをしてきたつもりです」

オフィスでイキイキ働く社員の顔を見ていると、この一途ながむしゃら感が一人ひとりに染み込んでいることがわかる。ビジネスにおいてもプライベートにおいても、本質を外さず面白さを付加していこうというメッセージの数々は、自分も周囲も巻き込んで仕事を楽しむための、とっておきの呪文なのかもしれない。

事業内容

株式会社ギャプライズ

「コンバージョン」に徹底的にこだわり、“購買心理”をベースとした「ギャプライズ式WEB マーケティング」を考案。B to BのWEBマーケティングにおける全体設計から、集客、制作、分析、改善といった運用面をワンストップで提供し、驚異の実績を上げている。その一方で、第2のシリコンバレーといわれるイスラエルの最先端テクノロジーマーケティングツールも販売。グローバルな展開を視野に入れている。

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著者情報

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三浦 天紗子
ライター・ブックカウンセラー
東京都生まれ。女性誌、文芸誌を中心に、インタビュー、文芸、医療、ビジネスコンテンツ関連の執筆、編集を務める。
『anan』『CREA』『Domani』などでBOOKやCOMICのページを担当。
著書に、『そろそろ産まなきゃ 出産タイムリミット直前調査』(CCCメディアハウス)『震災離婚』(イースト・プレス)などがある。