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「150万円の壁」ってなに!? 30歳までに知っておきたい結婚後の働き方と税金の仕組み

2018年1月から「配偶者控除38万円」が適用される配偶者の年収が上限103万円から150万円に引上げられることが決定しました。「103万円の壁」から「150万円の壁」に変わると言われていますが、そもそもどういう意味なのでしょうか?結婚後の働き方を見据え、20代のうちから知っておきたい税金の仕組みについてお伝えします。

「配偶者控除」は無職・低収入の配偶者を扶養する人に適用される所得控除

「配偶者控除」とは、妻が専業主婦の場合や働いていても年収が少ない場合に、夫の所得から38万円(住民税は33万円)を控除して税金を計算してもらえるしくみのことです(※1)。

例えば、夫の年収が400万円で「給与所得控除134万円」「社会保険料56万円」「基礎控除38万円」が控除されるケースでは、夫の課税所得は172万円。さらに、この夫が専業主婦の妻を扶養していれば、配偶者控除38万円が適用され、課税所得は134万円に下がります。所得税や住民税は課税所得に一定の税率が乗じられて計算されますので、課税所得が低ければ低いほど税金は安く済みます。これまでは配偶者の年収が103万円以下であれば配偶者控除が適用されていましたが、今回の改正では配偶者の年収が150万円以下まで対象が拡大。パート収入を月額12万5千円以下におさえれば、夫の課税所得を38万円(住民税は33万円)下げて税金を節約できる計算です(※2)。

本人の税金は年収100万円までが非課税、年収130万円超は夫の社会保険の扶養から外れる

夫の税金を節約する前に、自分自身が納める税金についても考慮が必要です。現行の制度では、所得税は年収103万円以下、住民税は年収100万円以下であれば非課税ですが、2018年から配偶者控除38万円が適用されるぎりぎりの150万円まで働くのであれば、所得税・住民税が発生します。また、社会保険についても、年収130万円以上になると夫の会社の扶養から外れ、自分自身で保険料を負担して国民健康保険や公的年金に加入する必要があります。

住んでいる自治体や加入する年金が厚生年金か国民年金かによっても異なりますが、例えば、年収150万円のパート収入で、国民健康保険・国民年金に加入する場合、保険料は年間約29万円になるケースも。さらに、所得税約9千円と住民税約2万8千円を差し引くと、残る手取は約117万円(※3)。配偶者控除の範囲が拡大されるとはいえ、これだったら年収100万円におさえて手取丸々100万円受け取った方が賢明な働き方と言えそうです。

年収100万円以下のパートタイマーは、果たしてオトクか?!

政府の調査(※4)によると、働く女性の4割がパートタイム労働者であり、特に30代・40代の女性が多くを占めています。パート労働をする女性の平均時給は1,032円で、過去最高の水準だそうです。1日当たりの平均労働時間は約5時間、1カ月に平均16日間のパート労働をしており、平均値から求める月給は月8万円程度。結婚後は、税金がかからす、世帯主の扶養の範囲で働く女性が相当数いることがわかります。

ちなみに同調査によると、正規雇用の会社員の賃金を時給換算すると、勤続5~9年の会社員では男性の平均時給が1,727円、女性の平均時給が1,310円とのデータもあります。勤続10年を過ぎると、男性の時給は2,000円近く、女性は1,500円近くなっています。例えば、月給25万円、1日8時間勤務で1カ月に21日間出勤すると、平均時給は1,488円ですが、皆さんが今している仕事の時給はいったいいくらでしょうか?

20代のうちにずっと働ける職場に転職するのもアリ

あまりにもハードワークで「結婚後も今の仕事を続けるのはとても無理」という人は別ですが、結婚・出産後も働きやすい環境であれば、出勤日数や拘束時間、時給換算した給与と仕事内容のバランスを考えた時に、パートタイムよりも正規雇用で働き続けた方が効率的と考える人もいるでしょう。今の職場では両立が無理な場合、結婚・出産を機に転職をする人も多いですが、後々のことを考えると、20代のうちに転職をして実績を築いておいた方が賢明な場合もあります。保育園に子供を預けて働くとなると、保育園代が月額5~8万円ほどかかるケースもあり、パート収入では割が合いません。将来的には、全面的に配偶者控除をなくす動きもでています。

これから迎える30代・40代になった時にどう働いていたいか、先々を見据え20代のうちに「理想の働く環境」を整えておくことを考えてみてはいかがでしょうか。

※1 夫が専業主夫・また制限所得以下であれば、働く妻に配偶者控除が適用される

※2 配偶者の年収が150万円超201万円以下でも、配偶者と世帯主の年収に応じて段階的に控除額を減らして所得控除される制度が新設、世帯主年収1,220万円超の人は配偶者控除の適用外になる予定

※3 東京都世田谷区の平成28年度国民健康保険料・国民年金保険料の試算例

※4 出典:厚生労働省「パートタイム労働の現状」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011q6m-att/2r98520000011wjl.pdf

厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査 短時間労働者の賃金」
http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2015/dl/11.pdf


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平井 美穂
ファイナンシャルプランナー(CFP)。不動産営業・銀行員を経験した後、出産を機に独立系ファイナンシャルプランナーへ転身。特に不動産や住宅ローンに関するコンサルタントを専門とする。ファイナンシャルプランナーならではの提案力を活かし、家計全般の収支バランスを考慮した上で、税制・相続・土地活用などあらゆる面から包括的に最善策を探る。また、特定の企業に属さず、顧客利益を優先した提案を心がけている。お金で困る人を減らしたいとの思いから、子供向けに金融教育活動も展開中。