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【スヌーピーから学ぶ】職場の人間関係を円滑にする「パーソナルスペース」とは

職場の人間関係を円滑に保てるかどうかは、業務内容と同じくらい重要な問題であると言ってもよいでしょう。相手と話をするときに、心地よいと思える距離感には個人差があります。スヌーピーでおなじみ、漫画“PEANUTS”でも実践されている「ちょうどよい距離感」について理解を深め、日常生活に活かしていきましょう。

労働者の相談内容トップ3

少し前のデータになりますが、2011年に全国19か所の労災病院で実施した「勤労者心の電話相談」の相談件数・相談内容をとりまとめた統計結果(※1)をご紹介しましょう。本統計によると、職場に関する問題のトップ3は以下のようになっています。

・1位:上司との人間関係(2,904件)

・2位:同僚との人間関係(2,325件)

・3位:その他の人間関係(1,851件)

勤務形態(5位)や仕事の質的負荷(6位)などを超え、トップ3は「人間関係」が占める結果となっています。筆者もキャリアカウンセリングの中で転職を考えている方にそのきっかけや理由をお話頂く機会がありますが、やはり「人間関係の悪化」がきっかけになるケースが少なくありません。

「パーソナルスペース」とは

悩みの種になりやすい職場での人間関係を、少しでも円滑にしたいと考えている読者の方も多いのではないでしょうか。そのために、ぜひ知っておいていただきたいことがあります。それは「パーソナルスペース」です。動物でいうテリトリー(縄張り)に該当する、人間ひとりひとりが持っている縄張り意識のようなもので、ある一定距離以上に他人に近づかれると不快に感じる空間のことです。アメリカの文化人類学者、エドワード・ホールによると、パーソナルスペースは以下の4ゾーンに大別されます。目安となる距離と合わせて以下をご覧ください。

・密接距離(恋人や家族など。ごく親しい人にのみ許される空間):~45㎝

・個体距離(友達関係など。相手の表情が読み取れる空間):45~120㎝

・社会距離(仕事関係など。相手に手は届かないが、容易に会話ができる空間):1.2m~3.5m

・公共距離(講演者と聴衆のように、個人的関係でない場合など):3.5m~

大体の目安距離はこのようになりますが、男女や性格の違いなどで、「適切」と感じる距離は変わってきます。

皆さんも、「あの人はやたら顔を近づけて話す人だな、嫌だなあ」「あの人は何度会っても距離が縮まらないなあ、よそよそしい人だ」などと感じた経験があるでしょう。この感じ方の違いが、人による「パーソナルスペース」の大きさの違いなのです。

スヌーピーにも登場するパーソナルスペース.

PEANUTSの1973年12月28日作(※2)では、スヌーピーとウッドストックが登場します。PEANUTSの中では、良き友達として描かれることの多いこの両者。小屋の屋根の上でほぼ密着しています(1コマ目)。ですが、ウッドストックはどうやら距離が近いと感じているようで、スヌーピーに何やら訴えます(2コマ目)。

そして、スヌーピーはウッドストックと距離をとりました。4コマ目で「ウッドストックは、ぼくが彼のボディスペースを侵害しているって言ったんだ」というスヌーピーのセリフがありますが、このボディスペースこそ、先述の「パーソナルスペース」と同義といってよいでしょう。

日常での活かし方

人間関係をスムーズにするためには、自分にとってのパーソナルスペースがどのくらいか(友達、同僚や上司と話すとき、どのくらいの距離がちょうどいいと感じるか)を知ったうえで、話し相手との位置関係を見直すことが大切です。

たとえば「この上司は割と近寄って話す人だな」と感じるようであれば意識的に、自分が思うよりも少しパーソナルスペースを狭めてみたほうが、相手からの親しみが得られやすくなるでしょう。その逆に、「割と離れて話す人なのかな」と感じたならば、意識的にパーソナルスペースを広めにすることで、相手に余計な不安などを抱かせづらくなるでしょう。

心地良いと感じる人との距離感には個人差に加え、その時の心理状態などによっても変わるものです。日常生活の中で、パーソナルスペースを適切にコントロールすることで人間関係の円滑さに加え、自分自身のメンタルヘルスの安定にもつながると考えられます。ぜひ普段から意識してみてください。

※1 労働者健康福祉機構「勤労者 心の電話相談」jin-jour  2012年9月19日

※2 Peanuts Comic Strip, December 28, 1973


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著者情報

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浅賀 桃子
慶應義塾大学卒業後、ITコンサルティング会社人事などを経てカウンセラーとして独立。2014年ベリテワークス株式会社として法人化。ビジネスパーソンのメンタル不調者やキャリアチェンジに悩む方のケアを中心に、カウンセリング実績5,000名超。予防カウンセリングに強みを持ち、ストレス・メンタルヘルス・キャリアデザインなどのセミナー多数開催。CDA登録キャリア・コンサルタント、メンタルヘルス・マネジメント検定I種、ストレスマネジメントファシリテーターなどの資格を持つ。