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外国人観光客が急増中の今、「観光関連」の仕事に注目!

2015年の訪日外国人観光客は前年比633万人増の1974万人となり、政府が掲げた「2020年に2000万人」という目標を5年も前倒しでほぼ達成。安倍総理を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は、ビザの発給条件緩和などの対策を進め、2020年に4000万人、2030年に6000万人とさらに高い目標を目指しています。外国人観光客が急増するなか、観光関連の仕事が注目を集めています。さて、どんな仕事があるのでしょうか?

こんなにある!外国人を対象にした観光関連の仕事

2016年4月の訪日外国人の数は前年同月比18%増の208万2000人となり、3月に続いて2カ月連続で200万人を超え、過去最高となりました。特に多かったのは中国、韓国、台湾、香港、タイ、マレーシア、シンガポールなどアジア各国からの訪問客です。

外国人を対象にした観光関連の仕事をざっくりと大別すると以下の5つに分けることができます。
・旅行を企画する仕事…ツアープランナー
・旅行に同行する仕事…ツアーコンダクター・通訳案内士
・外国人向けのイベントを企画する仕事…イベントプランナー・イベントプロデューサー
・みやげもの店などで外国人の接客をする仕事
・外国人観光客向けのWebサイト運営

ここでは、これら5つの仕事内容やなり方、収入についてご紹介しましょう。

ツアープランナー~旅行を企画する仕事

「ツアープランナー」とは文字通り、旅行のプランを立てる仕事です。多くは旅行会社に就職しプランニングの仕事を任されます。

<ツアープランナーの仕事内容>
旅行プランはただ行き先やコースを考えるだけでなく、旅行者の希望や好みに合わせて「体験」「施設見学」「史跡巡り」「スポーツ観戦」「芸術鑑賞」「買い物」「グルメ」などを取り入れる必要があります。そのために現地調査をすることもあり、予算に応じた宿泊先を探し、具体的なスケジュールを組み立てます。プランの内容によって申し込み数が増減するので、顧客獲得のための大切な役割を担う存在だといえるでしょう。

<ツアープランナーになるには?>
特に資格は必要ありませんが、あると有利なのは「国内旅行業務取扱管理者・総合旅行業務取扱管理者」や「国内旅程管理主任者・総合旅程管理主任者」の資格です。それぞれの資格の取得方法は次の通り。

国内旅行業務取扱管理者・総合旅行業務取扱管理者の受験資格:特になし/試験は年1回

国内旅程管理主任者・総合旅程管理主任者の受験資格:20歳以上・旅行業界に籍をおいている人のうち所定の研修を受講、修了試験を受け、実務経験を経てから資格が与えられる

ツアーコンダクター・通訳案内士~旅行に同行する仕事

旅行に同行する仕事には、「ツアーコンダクター」と「通訳案内士」があります。

1.ツアーコンダクター(添乗員)

旅行に同行する仕事としてよく知られているのは、「ツアーコンダクター」です。名称は旅行会社によって異なりますが、日本の旅行業法ではツアーコンダクターのことを「旅行会社の企画旅行に同行して旅程管理業務をおこなう者」とし、標準旅行業約款では「添乗員」としています。

<ツアーコンダクターの仕事内容>
ツアーコンダクターは団体旅行の添乗員として旅行中のお客様のお世話や管理をします。主な仕事内容としては、旅行参加者の人数チェック、旅行中の注意事項の説明、レストランの予約、ホテルのチェックインやチェックアウト、オプションツアーの案内、健康への配慮など仕事内容は多岐にわたります。ツアー終了後も清算や旅行会社への報告書の作成などを行います。「あちこち旅行に行けるのが仕事っていいね」とうらやましがられる職業ですが、常に旅行客に気を配る必要があるため、気苦労が絶えない一面も。

<ツアーコンダクターになるには?>
ツアーコンダクターとして働くには「国内旅程管理主任者(国内旅行のみ添乗可能)」または「総合旅程管理主任者(国内・海外旅行に添乗可能)」の資格が必要です。

資格を取るには実務経験が必要なので、旅行会社に就職するか、ツアーコンダクターを派遣する会社に登録して働きながら「基礎添乗実務研修」を受講し、その後国内または総合の「旅程管理研修」を受講します。基礎添乗実務研修はeラーニングとしての受講も可能です。これらの研修を修了後1年以内に添乗員講師の指導のもとに添乗実務経験を経て、資格が取得できます。

ツアーコンダクターとして働く方法は、次の3通り。
・旅行会社に就職する
・派遣会社に登録し旅行会社に派遣されて働く
・フリーで働く
近年は派遣会社に登録する人が増えたため、フリーのツアーコンダクターは減っています。

2.通訳案内士

海外から訪問した旅行客に同行し、案内する仕事が「通訳案内士」です。「観光ガイド」や「通訳ガイド」と呼ばれることがありますが、正式名称は「通訳案内士」。日本国内で外国人相手に外国語でガイドをおこなうには国家資格が必要になります。

<通訳案内士の仕事内容>
旅行先で史跡などを案内しながら歴史や文化を説明したり、最近の流行を説明したりします。また、参加者の人数や氏名のチェック、レストランの予約、ホテルのチェックインやチェックアウトなどツアーコンダクター的な仕事もします。ときには箸の使い方やマナーを教えることもあり、バスの中で日本の折り紙を教えるといったこともあります。そのため、語学力はもちろんのこと、幅広い知識と相手の要望に合わせる柔軟性が求められます。

<通訳案内士になるには?>
まず、通訳翻訳士の資格を取得します。
受験資格:特になし
試験内容
【第1次試験(筆記試験)】
①外国語:記述式で英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語から1カ国を選択(なお英語検定・フランス語検定・中国語検定・ハングル語検定のそれぞれ1級合格者、TOEIC840点以上など所定の条件を満たす場合は語学の筆記試験が免除されます。)
②日本の地理
③日本の歴史
④産業・経済・政治および文化に関する一般常識
※②~④はマークシート式
【第2次試験(口述試験)】
筆記試験で選択した外国語で実践的なコミュニケーション能力を見る試験で、人物考査もあります。試験に合格後、都道府県知事の登録を受けます。

<仕事に就くには?>
通訳案内士の多くはフリーで仕事をしています。各地にある「通訳案内士団体」(日本観光通訳協会(JGA)や全日本通訳案内士連名(JFG)、関西通訳・ガイド協会など)に登録し、依頼があれば仕事を受けるというスタイルです。

<通訳翻訳士の収入>
通訳翻訳士はフリーランスとして働くケースが多く、日本政府観光局によると収入は平均1日2万5000円~4万5000円程度となっています。実際には1日1万円程度の人もいるため、収入には個人差があります。なお、交通費や食費、宿泊費などは使用者側が負担します。通訳案内士の団体に登録していても継続して仕事が入る保障がないので、収入は不安定です。他の仕事と兼業でする場合は両方の仕事のスケジュール管理が大変になります。

<通訳翻訳士の今後の可能性>
現在登録されている通訳案内士の約7割は英語での資格取得者です。ところが海外からの観光客の7割はアジア圏からです。そのため、中国語や韓国語、タイ語の通訳案内士が不足しています。これから通訳案内士を目指す人はアジア圏の言語で資格取得を目指してはいかがでしょうか。

イベントプランナー・イベントプロデューサー~外国人向けのイベントを企画する仕事

<イベントプランナー・イベントプロデューサーの仕事内容>
海外からの観光客向けに日本の伝統芸能を紹介するイベントを企画・運営する仕事です。日本イベント産業振興協会(JACE)の「イベント市場規模推計報告書」によると、2013年に日本国内で実施されたイベントの市場規模は3兆8374億円となっています(イベント会場内の支出のみを計算。外国人向けだけでなく、すべてのイベント数をカウントしています)。ここに計上されているイベントには「博覧会」「会議イベント」「見本市」「文化イベント」「スポーツイベント」「フェスティバル」「販売促進イベント」などがあります。

また、イベントの仕事には企画・運営以外にも広報(告知)、音響や美術、照明、警備など多くの分野があります。イベントの企画や運営をするにはイベント制作会社に就職するという方法以外に、自治体や企業内で行うこともできます。また、フリーランスで活躍することも可能です。

<イベントプランナーやイベントプロデューサーになるには?>
特に資格はなく、イベント制作会社に就職して学ぶのが一般的です。なお、2010年に東京富士大学の経営学部経営学科に日本初のイベントプロデュースコースが設立されたので、そこで学ぶことができます。
また、JEPC主催の「EIM(Event Inteligence Manegement)資格」(①EIMイベントクリエーター1~3級、②EIMイベントコーディネーター1、2級)という検定のもあるので受験してみるのもおススメです。

みやげもの店などで外国人の接客をする仕事

ホテルや百貨店、免税店、観光地のレストランやみやげもの店などでは外国人観光客への接客ができる販売スタッフを募集しています。雇用形態は正社員、パート、アルバイト、派遣などさまざまです。接客経験があれば優遇されますが、未経験でも十分に働けます。特に近年は中国語が話せる人が歓迎されています。収入は職種や勤務先、雇用形態などによってさまざまです。

外国人向けのWebサイト運営

海外の人に日本の観光地を紹介するWebサイトを運営する仕事です。

外国人向けのWebサイト運営の仕事内容>
japan-guide.com」(エクスポート・ジャパンが運営)や「JAPANiCAN.com」 (JTBグループが運営)、「Guide to Japan」(JALが運営)など海外の人に日本の観光地を紹介するWebサイトで、旅行案内やツアーの紹介、名所の説明、みやげ物の紹介などをします。

・マーケティング……海外の観光客のニーズを調査する
・Webデザイン……外国人にもわかりやすい導線設計・デザインをおこなう
・ライティング……実際に観光地を訪れて取材をし、記事を執筆する
・翻訳……原稿を翻訳する
・撮影……観光地の写真を撮影する

<仕事を得るには?>
「japan-guide.com」を運営しているエクスポート・ジャパンのようなWebサイト運営会社に就職するほか、ライティングやWebデザインなどを請け負う制作会社に就職する方法、フリーランスで仕事を請け負う方法などがあります。
フリーランスで業務を請け負う場合は、発注元と原稿料やデザイン料などを交渉して契約を結ぶようにしましょう。

まとめ

外国人観光客相手の仕事は今後ますます増えていくでしょう。ちなみに2016年5月に開催された伊勢志摩サミットの通訳ボランティアの条件は英検2級またはTOEIC600点以上となっています。ボランティアということもあり、通訳案内士よりは低い条件です。この基準は東京オリンピック時にも参考にされるのではないかと考えられています。外国人が参加する各地のイベントやスポーツ大会などで通訳ボランティアを経験してから、本格的に仕事として考えてもいいですね。語学に自信がある方や関心のある方は挑戦してみてはどうでしょうか。また、語学は堪能でなくても、企画やアイディアを生かして仕事につなげることも可能です。あなたらしい発想を生かしてみませんか?


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著者情報

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金城 恵美
生命保険会社で6年間働いた経歴を持つ。その経験から、「お金」「健康」の両方のテーマにおいて幅広い知識を身に付けた。今はそれらの知識を活かし、フリーライターとして10年間、多くの「お金」に関する本を執筆し続けている。