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【株式会社ZUU】「何をやるかではなくて、誰とやるか?」が、私の転職基準。~輝き人 第36回~

株式会社ZUU 取締役COO 原田 佑介 さん

プロフィール

1984年、東京都生まれ。2008年、早稲田大学卒業。同年、新卒で経営コンサルティング会社に入社。2011年、株式会社DeNAに転職し、ソーシャルゲーム開発のコンサルティングに携わる。2014年、株式会社ZUUの経営メンバーとしてジョイン。

事業内容

株式会社ZUU

最新の経済・金融に関するコラムをエグゼクティブ層向けに配信する「ZUU online(ズー・オンライン)」をはじめ、資産運用の総合プラットフォームとして複数の経済・金融情報サイトを運営することで、金融リテラシーの向上に貢献している。また、金融/不動産に特化したWebマーケティング支援、ITが生み出す新しい金融サービス「FinTech」コンサルティングなどを手がけている。

誰と働きたいかで決めてきた会社選び、それが成長の糧になった。

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●新卒では経営コンサルティングの会社に入社されて、次はソーシャルゲームに力を入れて急成長していた株式会社DeNAに。その後、ファイナンシャルメディアプラットフォームを手がける御社の創業期から携わります。転職するごとにキャリアをリセットされてゼロからスタートしていらっしゃるようにも見えるのですが……。

コンサルティング、ソーシャルゲーム、金融とまったく違う業種を渡ってきていますね。でも、僕にとっては事業領域やその中での業務はあまり関係がなくて、誰と働くかを重視して来たんだなと。振り返ると僕はずっと、尊敬できる師匠的な存在の人に叱咤激励(しったげきれい)されて育てられたり、魅力的な仕事仲間と切磋琢磨(せっさたくま)し合ったり、そういう働き方が凄く楽しかったし、それを求めてきたように思います。

●なるほど。では、DeNAに原田さんの気持ちを動かす人がいたんですね。

僕の面接官だった2人がそうでした。1社目の経営コンサルティングの会社を辞めるとき、漠然とインターネットに対しての興味はありましたが、当時DeNAの主力事業だったソーシャルゲームに興味があったかって言われたら、実はまったくなかったんですよね。面接することになってモバゲーが提供していた人気ゲームの「怪盗ロワイヤル」をやってみたけれど、ハマれなくて全然進まなかったんです(笑)。でも、当時のDeNAはまさに破竹の勢いで、オフィスで感じる空気感といい、僕の面接官だった先輩方の能力や勢いといい、「ここで働いたら自分もぐんと成長できるのではないか」という強烈なインパクトがあったので決めました。

入社後の配属先は、モバゲーのサードパーティー(他社製のゲーム)を管轄する部署でした。入社前にゲームにはハマれなかったので、最初は不安もありましたが、サービス提供者としてソーシャルゲームと向き合ったとき、見方がちょっと変わったんです。みんなが熱狂するのは、自分がゲーム内で時間を使って努力したことに対して結果が出て、そのフィードバックがいちいち気持ちいいとか、他のプレーヤーたちがどんな状況なのかを見ながら「自分ももっとがんばろう」と思えるとか、何か感情を動かされるからなんだなと。それは人間社会にも近くて、マーケティングの領域にも重なるところがある。その面白味を自分の中で体系化してからは、仕事がすごく面白くなりました。

強烈なリーダーのビジョンを、具現化する役割。そういうやりがいもあると思う。

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●さらに、代表の冨田さんが立ち上げていた株式会社ZUUにジョインする形で、起業の道へ踏み出します。冨田さんと一緒に仕事をしてみたいという気持ちに押されたからでしょうか。

冨田とは、大学時代に共通の知人を介して知り合いました。彼が2つ上なので先輩・後輩みたいな関係。彼は学生起業家で、僕が学生団体の代表をやっていたんです。当時から非常にエネルギッシュかつ人生に対して明確な目標を持っていて、どこかのタイミングで一緒に働くことができれば面白いんだろうなと、そのころから思っていました。冨田がZUUを設立したのが2013年の4月です。設立から半年くらい経って、いわゆる自宅兼オフィスから、雑居ビルの2階にオフィスを移したとき、「移転パーティーあるから来いよ」と誘われて。実際に行ってみたら、元々インビテーションに貼ってあった写真よりだいぶショボい(笑)。でも冨田は「絶好調だよ。絶対に世界一の会社にする。一緒にやろう」とパワーがみなぎっていました。僕も話していて、彼と働くことへのワクワク感をすごく感じました。

僕はまだ金融についての知見がなかったし、当時からあったZUU onlineはウェブサービスではなくコンテンツが中心のメディアだったので、役に立てるのかなという不安はありました。ただ、冨田の弱みがたまたま自分の強みだなとか、話をするうちに、事業を前に進める上で必要な役割の補完関係を感じたんですね。人間性のすり合わせはそもそもできていましたが、事業と役割のすり合わせは2、3回会って行いました。待遇のすり合わせはもう一切どうでもいいですと。最初は収益もそう上がっていなかったので、いまは別にいらないですというところから始めました。

●キャリアを考える上では、すごくユニークな発想ですね。一般的には、いままでの経験を生かして何かをしようとか、そういう考え方が多いと思うんですが、原田さんはとにかくいままでの経験を全部捨ててもいいやと。

辞めるときには、当時の上司や知り合いとかにもずいぶん止められました。ある程度高いレベルの仕事もできるようになっていたし、もっと大きいチャンスを狙えばいいとか。でも、そもそも比較基準が違うものなので、僕の中でも迷いようがなくて、それを話したら納得してもらえました(笑)。

確かに近い業界で自分の経験を元にステップアップをする観点だと経験を捨ててるんですが、自分の経験や能力はある程度は汎用性があるものだと捉えていて、それがZUUで役立ちそうだと思ったから自分の中では繋がっていました。縦に深ぼるのではなく、横にスライドするイメージです。そっちの転職の仕方の方が、個人的には面白いと思っています。

●それにしても、ZUUさんの成長スピードがものすごいです。原田さんご自身の役割はどんなところだったのでしょうか。

1年半前まではかなりの部分を、冨田と私とで分担してマネジメントしていましたが、今は各部署、チーム、プロジェクトに僕より専門性が高く推進力が高いメンバーがいるので、何でも屋さんになっていますね(笑)。ただ、変わらない僕の役割としては、冨田がものすごい勢いで走っていくときのビジョンやメッセージを図やイメージで具現化したり言語化したり、人が増えたら仕組みを具体的に作っていく、適材適所を考えていくことでしょうか。

語弊があるかもしれませんが、僕自身は強烈にやりたいことってないんですよ。逆に、これをやらないと一生後悔するという人たちがアントレプレナーだと思っていて、冨田はそういう人間です。だから、それを支援したいとか、ちゃんと形にしたいという僕のようなタイプがいてもいいと思うんですよね。そうやってやっていくうちに気持ちは乗りますし、今は同じくらいの想いで、ビジョンを追ってます。

資産運用のプラットフォームを創り、お金のマネジメントができる人を増やしたい。

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●これからさらに力を入れていく事業などがあれば、教えてください。

これまで金融業界は、エンドにいるお客さまと、その商品を扱っている金融業者、その両者の情報がものすごくアンバランスでした。その情報の非対称性を解消していきたいと思い、まず金融リテラシーを身につける情報発信をしていくメディアを創ってきました。ただ、メディアは知識を身に付けるための一手段でして、この先はこれまで金融の世界、資産運用の世界に足を踏み入れなかった多くの個人が、インターネット上で金融商品を、自分自身が理解して購入できるサービスプラットフォームを作っていきたい。まだまだリアルの市場規模がインターネットを圧倒している業界ですが、僕らがターゲットとしている30代~50代前半の世代は確実にインターネット上で自身の資産運用、お金のマネジメントができる世界を望んでいるし、それを実現させたいですね。

例えば、2016年6月にベータ版でリリースした「ZUU SIGNALS」という新しいサービスがあります。これはメディアではなくて、投資支援ツールです。日本株に特化して、その株の今の状況がいいのか悪いのかを、シグナルという名の通り“信号”で示してくれるサービスです。機械学習アルゴリズムを使って、その株の株価の変動に影響のある情報だけを届けます。シグナルさえ見ていればいいよ、精査されたこの数本の情報だけを読めばいいよということになるので、迷わず、また膨大な情報量に溺れることなく、複雑過ぎて躊躇(ちゅうちょ)していた株取引に初心者にも積極的になってもらえると考えています。

●そこまで来ると、あまり金融リテラシーがなくても参加できそうな感じですね。原田さんのお仕事はめまぐるしくて、休む間もない印象ですが…

ZUUは急勾配(きゅうこうばい)の傾斜を登っていくイメージで業績を上げてきたし、今も続いていますが、それを支える企業バリューに「Going merry!」があります。これはつまり、登っている間もただ「キツい」と思うような働き方をするのではなく、仲間と一緒にコトに向かい、解決して、達成して、皆で高揚感を得るような働き方をしようと。由来は冨田が好きな『ONE PIECE』ですが、ZUUという一つの船に乗ったメンバーが笑いながら汗をかいているイメージですかね。本当に優秀なメンバーが次々に入ってきて、そういう働き方をしてくれていて、自分も頑張らなきゃと日々刺激を受けています。自分でも働いていてすごく不思議だなと思っているんですが、実際、年を追う毎に会社が好きになって、働くことが楽しくなっています。ただ休息はちゃんととっていますよ。だけどその時間も「何のためにそれをやるのか」と意味を考えるようになりました。心と体のコンディションのためとか、大体そういうものなんですが。

●最後に、この記事を読む20代の転職希望者にメッセージをお願いします。

流動性が高い今の転職市場で、人を見極める際に面接官側が見るのは、求職者がどこの会社にいたかではなくて、「何ができるか」に尽きるんです。だから、「こういうことができます」という根拠を経験で積み上げていくしかない。どうしたらそういう経験ができるのかというと、やっぱり「この人の下だったら、圧倒的に成長できる」とピンとくる人と一緒に働くのが手っ取り早くて一番正解なんじゃないかなと。自分の経験からも、僕はそう思っていますね。

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著者情報

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三浦 天紗子
ライター・ブックカウンセラー
東京都生まれ。女性誌、文芸誌を中心に、インタビュー、文芸、医療、ビジネスコンテンツ関連の執筆、編集を務める。
『anan』『CREA』『Domani』などでBOOKやCOMICのページを担当。
著書に、『そろそろ産まなきゃ 出産タイムリミット直前調査』(CCCメディアハウス)『震災離婚』(イースト・プレス)などがある。