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斬新な企画を生み出し続ける秘訣は、心の“鮮度管理”を怠らないこと。【西武鉄道】~輝き人 第35回~

西武鉄道株式会社 鉄道本部 運輸部スマイル&スマイル室 新規旅客創造担当 中山寛さん

プロフィール

1971年、茨城県生まれ。コンビニエンスチェーン、飲料メーカーを等経て現職。現在、西武鉄道にて宣伝業務に従事。

事業内容

西武鉄道株式会社

東京都北西部から埼玉県南西部に旅客営業キロ数176.6kmに及ぶ12路線を有し、鉄道事業・沿線観光事業・不動産事業を行う。沿線観光地、秩父で開催する「ちちぶ映画祭」をはじめ、クラブイベント 「ageHa」とのコラボレーション「SEIBU RAILWAY PRESENTS ageHa TRAIN」、きゃりーぱみゅぱみゅさんの代表曲をモチーフとしたラッピング電車「SEIBU KPP TRAIN」など、斬新な企画やイベントを通じて積極的なPRを展開し、新規顧客開拓や沿線価値の向上に取り組んでいる。

リーディングカンパニーでの経験を通して、潮目の先頭に立つマインドを学んだ。

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●中高生の頃や学生時代は、どのような仕事に就きたいと思っていましたか?

職種でいえば「企画マン」ですね。僕はもともと、学校行事や親せきの集まりなどの際に、率先して出し物の企画を行うような子どもでした。それも、ただ整然と仕切る“予定調和”のノリでは満足がいかず「サプライズ」を仕掛けたいという(笑)、生意気なティーンエイジャーでした。中高生ぐらいの頃がちょうどバブル全盛期で、少し上の世代の人たちがブイブイいわせていた時代。マスメディアの先導で、さまざまなトレンドやムーブメントが生まれて、世の中全体が活気であふれていました。それらを見ていて、子ども心に興味を引かれたのは「従来の型を破って新しい価値を生み出していく」ということ。そして、その“もと”となっている「ひらめき」。そのスキルを持てたら、カッコいい大人になれるかも、って思っていました。

●もともとのご性格と、なりたい姿、現在のご職業までが、まっすぐつながっていますね。

たしかに現在は、学生時代に思い描いた「企画マン」です。でもね、仕事って、なかなか自分の目論見どおりには就けないんですよ(笑)。新卒で就職活動をしていた当時、周囲の人たちに「就職は会社で選ぶんじゃない。どこへ行くかではなく、何をしたいかなんだ」とすごく言われましたが、まず、就職活動していた当初は就職氷河期に入っていました。望みどおりの職選びが難しい中で、諦めずにこだわり続けたのは「新しい価値を生み出していく」という要素。

そのため、特殊な技術を有するメーカーさん、新規開拓のためにマーケティングに力を入れている会社など、他社にはない特徴をもっているところや、『下町ロケット』の佃社長のように熱くて魅力的な社長が率いる会社などを探し求めました。就職してから現在までのあいだに、営業やデータ集積などの仕事も経験しています。でもトータルで見れば、企画プランナーやプランニングディレクターの仕事に長く携わっているので、一応、初志貫徹できたことになるのかな(笑)。

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●20代の頃は、どのような働き方をされていましたか?

コンビニチェーンのスーパーバイザーとして、消費の最前線での業務を経験することができました。当時コンビニ業界は急速に店舗数を増やしていた時期だったため、大変エキサイティングでした。新しいサービスを次々に生み出して外食産業から需要を奪っていき、まさに「地殻変動のど真ん中」にいる感覚。店構え、宣伝、商品などすべてが劇的に変化し、あっという間に“それまでと違う”文化が浸透していく。これがスタンダードだよ、といわんばかりに急ピッチで新旧が入れ替わるさまは、中高生のときに傍から眺めていたバブル期の世相を思い起こさせました。

その後、飲料メーカーに転職しましたが、新商品の数が業界で最も多く、プロモーションの規模も大きい会社でした。両社ともリーディングカンパニー特有の力強さがみなぎっていて、潮流・潮目の先頭に立って流れを作り出していく「マインド」を、その2社で培わせてもらったと思います。

●20代でやっておけばよかったと思うことはありますか?

海外経験です。これはもう、ほんとうに、やっておけばよかった!ずっと国内にいると、自分でも気づかないうちに、ドメスティックな理屈に縛られているはずなんですよ。たとえば「この業界はこうだけど、うちはこう」みたいな、世界レベルで見ればほとんど差がないところで、差を出した気になってしまうとか。異文化についての知識を仕入れて視野を広げようとしても、じかに身を投じて触れないかぎり、染み付いた感覚を打破できるほどの思考の広がりや密度、説得力は得られないと思うんですよね。若い頃に異文化に揉まれる体験をして、もっと思考の可動域を広げたかった。まあ、今からでも、チャンスがあれば行きたいと考えていますけれどね(笑)。

他人の追っかけはイヤ。新しいものを自分で生み出して旗を振っていきたい。

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●転職経験を振り返り、会社選び・仕事選びで大切にしてきたことを教えてください。

新しい価値を作り出している、あるいは、業界トレンドを牽引している企業を選ぶということでしょうか?そうじゃないとダメとは全然思わないんですよ。でも、どの業界であっても、先頭に立って開拓するというのは大きなパワーが要ること。成功した理由を知りたいと思いました。また、ダイナミックなビジネスを体験できるかもしれないという期待感を持てる企業というのも選定ポイントのひとつでした。。

もうひとつ大事にしていたのが「成果を出してから転職する」ということ。仕事をする以上、よいことばかり起きるわけではなく、特に僕は攻め込んでいくタチなので、ビハインドを背負うことも少なくありません。でも、負けっぱなしにはせず、必ず取り返してから次の階段を上るようにしています。ちゃんと成果を出さないと、何を言っても説得力がない。実績こそが切り札となって、自分を守ってくれます。これまでノンタイトルで場所を変えたことはないですね。

●仕事で成果を出すために、ポリシーにしていること、意識していることなどを教えてください。

とにかく、他人の追っかけがイヤで、誰かがつくったものをなぞりたくない。自分が生み出して旗を振っていきたいんです(笑)。そのために、自分の“鮮度管理”は意識しています。特に心がけているのは「現地に行く」ということ。何かが流行っていると聞いたら必ず足を運び、臨場感を肌で感じて吸収します。情報ではなく、体感して自分が何を思うのかが大事。ちゃんと自分の血となったものの中からアイディアを生み出したいのです。

現在の仕事における僕の役割は、西武鉄道の新しい需要を創造すること。特に若年層にアプローチをかけています。企画を考える際は「旬を刈り取る」をポリシーにして、電車内でDJとダンサーがパフォーマンスする「SEIBU  RAILWAY PRESENTS ageHa TRAIN」や、きゃりーぱみゅぱみゅさんとコラボした「SEIBU KPP TRAIN」など、思い切ったイベントを行っています。話題性ももちろん意識していますが、僕が最も大切にしているのは「感動」です。共感と感動を呼ぶ企画を考案し、多くの皆さんに西武鉄道を知ってほしいと思っています。

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●9月に開催された「ちちぶ映画祭2016」は、今年4年目を迎えたイベントだそうですね。

新しいアプローチとして最初に旗揚げしたのが「ちちぶ映画祭」でした。4回目となる今年は、沿線を代表する観光地である秩父のほか、清瀬、東村山など沿線のエリアをロケ地や舞台とする映画を上映し、豚ホルモン、豚みそなどの地元グルメを堪能できるプログラムもコレクトしました。目で、耳で、舌でと五感すべてを使って楽しみ、西武鉄道沿線の魅力を体感していただきたい。今年、来られなかった方は来年ぜひ、足をお運びください!

●最後に、この記事を読む20代の転職希望者にメッセージをお願いします。

「らしく生きる」ということを、大切にしてほしい。「自分にしかできないこと」が一番価値があると僕は思っています。たとえば、誰よりも真面目、それも立派な自分らしさです。他人の目や評価が気になったり、自分の中のどの部分を主軸に置くのか迷ったりして、実現させるのは、口でいうほど簡単なことではありません。がむしゃらに、試行錯誤しながらマイナーチェンジを続けているうちに、ようやく見えてくるものかもしれないですね。最終的に「自分らしさ」を仕事に生かすことができたら、ビジネスマンとして最高かな、と思います。

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著者情報

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生駒 奈穂子
新潟大学卒業後、電子部品メーカーの営業部門、化粧品通信販売会社の販売企画部門、フリーランスのパーソナルコーチを経て、ライター業へ。美容・健康・カルチャー・ファッション・インタビューなど多分野の記事を執筆。現在は、企業や大学の各PR媒体を中心に活動中。好きなものは猫、お笑い、ラーメン、ビール。