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昇給したのに手取りが増えない!?「入社2年目の悲劇」を知っていますか?

昇給後はじめての給料日。銀行口座に振込まれる金額が増えると思って楽しみにしていたら、逆に通帳に記帳された手取り額は減っていた!目を疑いたくなるこうした現象が、昇給のタイミングではよくあります。筆者も経験がありますが、給料が増えたにも関わらず手取りが減るのは、給料以上に「給料から引かれる税金」が増えたためです。社会人なら知っておきたい「給料と税金の仕組み」について、具体的事例をあげてご紹介します。

入社2年目A君の悲劇!6月から引かれる住民税の落とし穴

A君が入社2年目に経験した話です。1年目の初任給は23万円、税金・社会保険料を引いた後の手取り額が191,712円でした。2年目の4月から月給が5千円昇給し、23万5千円に。手取り額も196,122円に増えました。「給料も5千円増えたし、1年間頑張った自分へのご褒美に」と、以前から欲しかった時計を毎月5千円のリボ払いで購入したA君。ところが、6月に銀行口座に振込まれた手取り額を見てびっくり!手取り額が突然188,522円に減り、1年目よりも減ってしまったのです。

原因は、住民税7,600円が新たに給与から引かれるようになったためでした。住民税は前年の所得に対して税額が決まり、会社員の場合は6月の給与から天引きされて納めるのが一般的。入社1年目は前年の収入がないため住民税がかからず、その分給料から差し引かれる税額が少なくなっていたのです。

税率5%~45%まで!年収が上がれば所得税の税率も上昇

住民税の税率は日本全国一律で10%と定められています(※1)。一方、所得税の税率は、所得が増えれば税率も上がる「累進課税制度」となっています。課税所得195万円以下の場合は税率5%ですが、課税所得195万円超330万円以下は10%、さらに課税所得330万円超695万円以下は20%となっており、その後も所得が増えるにしたがって最高税率45%まで上がる仕組みとなっています(※2)。収入が増えれば増えるほど、おさめる所得税も増えていくため、「入社2年目の手取りが減る悲劇」こそなくても、収入が増える割に手取りが増えないのを多くの先輩達が実感しています。

収入が増えれば「社会保険料」の負担も増加

税金以外にも給与から引かれているのが「社会保険料」。「健康保険料」「年金保険料」「雇用保険料」が該当します。保険料は給与(標準報酬)に対して一定の料率がかけられて算出されるので、給与が増えれば当然保険料負担も増えます。また、「年金保険料」の料率は平成29年まで段階的に引上げられており、将来的に更なる引上げの可能性があるとも言われています。会社によって異なりますが、9月もしくは10月の給与から「社会保険料」の金額が切り替わるのが一般的。1年前の給与明細と見比べて、給与の増額に対して「保険料」がどれくらい増えているかチェックしてみるといいでしょう。

結局「手取り」はどれくらい増えるの?

最後に金融機関に勤務するキャリアウーマンBさんの社会人1年目から7年目までの「額面年収」と「手取り額」の推移をご紹介しましょう。

<社会人1年目> 額面年収:250万円  手取り額:210万円
<社会人3年目> 額面年収:440万円  手取り額:350万円
<社会人7年目> 額面年収:650万円  手取り額:500万円

額面年収は1年目から3年目で190万円アップしたのに対し、手取りは140万円の増加にとどまります。同じく3年目から7年目は、額面210万円の伸びに対して、手取りは150万円の増加にとどまっています。額面年収の増額分ほどには手取り額が増えないことがわかりますね。

いかがでしたか?「給料から引かれる税金や社会保険料の仕組み」をご紹介しました。「今後昇給してもそれほど手取りは増えないのか」と落ち込むことなかれ。給料から引かれる税金の仕組みをマスターすれば、節税対策をすることも可能になります。まずは自分の「給与明細」や「源泉徴収票」で知識を身につけて、税金とうまく付き合っていきたいですね。

※1 額面年収から「給与所得控除」「社会保険料控除」「基礎控除」などを引いた後の「課税標準額」に税率10%をかけ、「調整控除」「均等割額」が考慮されて住民税額が決定します。詳細は各地方自治体の主税事務所にご確認ください。
参考:個人住民税|東京都主税局

※2 所得税の計算は課税所得にそれぞれの税率をかけた金額から控除額を引いて求められます。詳細は国税庁のHPでご確認ください。


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著者情報

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平井 美穂
ファイナンシャルプランナー(CFP)。不動産営業・銀行員を経験した後、出産を機に独立系ファイナンシャルプランナーへ転身。特に不動産や住宅ローンに関するコンサルタントを専門とする。ファイナンシャルプランナーならではの提案力を活かし、家計全般の収支バランスを考慮した上で、税制・相続・土地活用などあらゆる面から包括的に最善策を探る。また、特定の企業に属さず、顧客利益を優先した提案を心がけている。お金で困る人を減らしたいとの思いから、子供向けに金融教育活動も展開中。